vol.9 え、また?同じところの根の治療のやり直し?本当に必要なの?
みなさんには、こんな経験はありませんか?
歯医者さんに治療に行ったら、以前に治療をした歯の「根の治療のやり直し」を提案された経験はありませんか?
そのときに「痛みもないのに、それって本当に必要な治療なの?」と思ったことはありませんか?
根の再治療を提案するタイミングとは?
歯科医療者の目線からお伝えすると、根の再治療は、新たに被せ物などを入れる前に、根の中が見えるタイミングでご提案することが多くなります。
実際に当院でもレントゲンを見た際に、キレイに根管治療ができていなかったり、根の先に膿がたまっているなど、予後に不安を感じてしまう場合には、根の再治療をご提案するケースがございます。
根のトラブルは、被せたセラミックの歯も共倒れになるリスクがある。
根管治療の処置が心配な歯の上に、セラミックなどの高価な被せ物をつくろうとする場合は、とても予後が心配になります。根管治療がしっかり出来ていないと、根の先に膿が溜まったり、歯肉が炎症を起こして腫れたりする場合があります。その場合は、根の再治療をするために上に被せたセラミックも一緒に取らなければならなくなります。まだ長持ちするはずだったセラミックの被せ物や詰め物も外し、根の治療をしてからまた新たに被せ物を新製するのは、患者さんの気持ちになるととても心苦しいのです。(セラミックを外さないで、外科手術を選択できるケースもございますが、患者さんのお身体に負担をかけることになります。)患者さんにそのリスクを負わせたくないため、歯科医院では、被せ物の治療をする際に、根管治療も一緒にご提案する場合があるのです。
50代・女性患者さん「根尖病巣で、根を再治療した例」
実際に、こちらの50代・女性患者さんは、被せ物を装着した後に2年してから、根の先に「根尖病巣」ができてしまい再治療をすることになりました。このように後々、患者さんに費用面での負担や、体力面での負担がかかってしまうことをなるべく防ぎたいと思うのです。
きちんと説明。同意の上で診療を進めます。
しかし歯科医師が説明不足だと、往々にして患者さんからは「治療を余計にやって多く代金を取ろうとしているのではないか?」とか、「治療を引き延ばせてボッタくろうとしているのではないか?」などと疑念をもたれてしまうことが少なくありません。しかし、当院ではそのような患者利益に反することは絶対に行いません。きちんと説明をさし上げた上で、同意の上で診療を進めておりますので、安心して診療をお受けいただければと思います。