vol.26 2ヶ月前に根の治療したところが腫れて痛む
原因は、折れた治療器具!?
こんにちは、石橋デンタルクリニック大泉のブログへようこそ。歯科医師の上出です。
50代男性「根の治療をしたところが腫れて痛むので診てほしい」
「2ヶ月前に、他の歯科医院で根の治療をしたところが、腫れて痛む。」を訴えに、50代男性が来院されました。診察してみると、歯ぐきが腫れていて、根の内部で異常があることがすぐにわかりました。
根の管の中で折れた治療器具。
折れて、残されていた。
早速、内部を確認するためにデンタルレントゲンを撮影してみると、腫れているところの内部では、根の周囲に膿の袋ができていました。
その原因として考えられたのは、根の管の中で折れて残された治療器具。ここが原因で感染を起こしていると診断しました。
おそらく、以前の根の治療の際に、ファイル(根の治療で使用する治療器具)を誤って根を貫通させてしまい、それを取り除くことができなかったため、根の中に残ってしまったのだと思われました。
歯の根の内部は、針の先以上に細く、しかも複雑に曲がりくねっていて、個性差があるためとても難しい治療なのです。
マイクロスコープでの精密根幹治療で、取り除けなかった治療器具
まず、当院での通常の精密根管治療を実施。マイクロスコープを使って残されたファイルを取り除こうと試みましたが、深いところにあったため、取り除くことができませんでした。
再植治療で再チャレンジ!
通常のやり方ではできなかったため、「一度、歯を取り出して → 口外で根の治療をして → 元の位置に歯を戻す」再植治療に切り替えて、治療を進めたところ、治療器具を無事に取り除くことができました。
根の感染部位を切除して、
歯を戻して、治療終了!
感染してしまっている根の尖端を切除し、無事な部分を残します。そして歯髄や根管内を殺菌する効果と歯や神経を保存する特徴を持ち合わせたMTAセメントをつけて再度、歯を戻しました。歯根端切除術とは?(厚生労働省 e-ヘルスネット参照)
再植後の、予後も順調 〜♬
再植後は、少しずつ歯ぐきの腫れも引いていきました。術後は、しばらく固定が必要で、生活する上で多少のご不便はありますが、予後は順調で大変喜んでいただきました。
根の治療をしたところが
腫れる・痛む方へ
まずは無料カウンセリングをご利用ください。
再植治療、歯根端切除術、MTAセメントの治療例は、下記記事をご覧ください!
vol.10 当院では、保険治療で「CT診断・マイクロスコープ精密治療・歯根端切除術」ができます。
vol.17 「歯髄保存療法」で、神経を抜かずに保存する方法