当院では主に上記の3つのサイクルで、ヨーロッパ基準のシステムにのっとり、患者様に使用する器具の滅菌を行っております。
ミーレ ジェットウォッシャー(熱水消毒器)
ミーレジェットウォッシャーは、消毒・滅菌の世界基準である「ISO15883」に規定された「93度+5分間」という条件をクリアした、歯科治療で使用した器具の洗浄・すすぎ・消毒・乾燥を自動的に行う熱水消毒器です。
特長01.落ちにくい血液や唾液等のタンパク質汚れもしっかり洗浄
感染の原因となる血液や唾液などのたんぱく質の汚れを落とすだけでなく、93℃の熱水ですすぎを行うため、高レベルな熱湯消毒が可能です。高い水圧と徹底した温度管理による洗浄で、感染リスクを軽減します。
- たんぱく質をしっかり除去し、感染リスクを軽減
- 複雑な機器の外部だけでなく、内部もすっきり洗浄
- 高性能フィルターを通した清潔な空気で温風乾燥
特長02.高い水圧と徹底した温度管理
55℃以上の高温になると、感染の原因となる血液や唾液といったたんぱく質は凝固してしまいます。ミーレのジェットウォッシャーは、たんぱく質が凝固しないように、まず冷水から予備洗浄をおこない、高い水圧で確実にたんぱく質の汚れを落とします。そして、最後のすすぎで水温を93℃まで上昇させて5分間の消毒を行います。
特長03.第三者研究機関による裏付け
ミーレのジェットウォッシャーは洗浄・消毒・滅菌に関して、ISO15883で規定された消毒条件(93℃、5分間)を満たしています。また、第三者研究機関によって多数の微生物試験が行われており、高い消毒効果が認められています。
クラスBオートクレーブLisa-リサ(高蒸気圧滅菌)
上記のミーレジェットウォッシャーで洗浄消毒した器具を、次にこのクラスBオートクレーブLisaで滅菌します。
ハンドピース等、全ての器具の殺菌
当院では、歯科切削用ドリルを回す機器「ハンドピース」等、すべての治療器具において、クラスBに準拠したオートクレーブLisaで滅菌を行ったあとに一つ一つ滅菌パックをして使用直前に開封し、患者さんお一人おひとりの治療ごとに器具交換を行っております。このオートクレーブは通常のオートクレーブ機器よりも滅菌のレベルが上がります。
クラスBとは?
歯科医院の滅菌では、高圧蒸気滅菌器(オートクレーブ)が広く使用されています。オートクレーブは、上から(B)⇒(S)⇒(N)…とクラス分けされていますが、多くの一般歯科医院で導入されているオートクレーブはほとんどがクラス(N)です。
クラスBオートクレーブとは、ヨーロッパの基準EN13060に準じたオートクレーブのことを表します。このEN13060とは「あらゆる種類の滅菌物(固形、包装、多孔性、中空のある物)を完全に滅菌できる」ということを意味しております。
インプラント等の外科処置においても「より感染しにくい環境で治療が受けられる」ことになります。滅菌のレベルを引き上げることは口腔内の環境に大きく影響するため、非常に重要です。
患者さんごとにグローブの交換
当たり前のことですが、使用する医療用グローブ(使い捨てゴム手袋)は、その都度患者さん毎に交換をしております。決してお口の中を素手で触ったり再利用することはいたしません。
これは基本的なルーチンワークで、一日で出るグローブの廃棄の量も多いのですが、これをしっかりすることで高い院内感染の防止を実現できます。
ミーレジェットウォッシャーあっての滅菌システム
石橋院長より
当然のことながら、血液や唾液等のたんぱく質汚れは、肉眼では分かりません。低温の水から徐々に高温の水で洗浄していき、汚れを取り除きますので、一般家庭の食洗機との違いはそのポイントにあります。今回導入して…
- よりキレイな器具を患者さんに提供できる
- 洗う作業が無くなる、効率がよくなる
- 何よりもスタッフの安全につながる
- 手洗いではなかなか取れない、血液やたんぱく質の汚れをしっかり取りきれる
…などのメリットを実感しております。
歯科医院におけるジェットウォッシャー機器は、他メーカーでもかなり多くの機種が出回っており、今回比較検討には随分と時間をかけました。他メーカーの物は、容量が小さいため「水の回り」が弱く、その点が一番の決め手でした。その中で容量も大きく、大量の水で洗浄する事ができるのが唯一、今回導入したこのミーレ社の機種でした。
何より患者さん・スタッフ双方の安全性をより上げられるのと、一つ一つ手で洗浄する手間暇・労力を大幅に軽減でき、そのストレスと時間消費も大幅に軽減できます。その分、他の業務に専念もできます。
ジェットウォッシャーは大きな大学病院では当たり前の設備ですし、スウェーデンなどの欧州に行くと、一般の開業医では普通にこのジェットウォッシャーが入っています。海外での研修時にそれを目の当たりにして、いつか導入したいなと思っており、今回それが実現いたしました。
クラスBのオートクレーブは各メーカーがLisaに続けと機種を販売し、歯科医院での普及が進んでいます。しかしクラスBのオートクレーブだけがあっても、その前の段階の洗浄が不十分ですと、クラスB滅菌器の効果も発揮できません。ミーレのジェットウォッシャーとクラスBのオートクレーブのセットがあって、より滅菌効果が発揮できます。
今後、時代の流れとして、滅菌関係も公的機関の基準しかり、一般の患者さんの認知しかり、かなり厳しく(うるさく)なってくると思います。ミーレのジェットウォッシャーを導入しているかどうかは、そのクリニックが滅菌に対してどうのような考えをもっているかどうかの判断基準にもなるかと思います。今後の設備投資にもご期待ください。